日本酒の魅力をさらに深く味わうなら、「酒米」(日本酒造りのために開発された「酒造好適米」)に注目してみるのはいかがでしょうか。
酒米の品種によって異なる味わいや香りは、日本酒の個性を決める重要な要素です。酒米ごとの違いを知り、味わいながら嗜むことで、日本酒の奥深さが感じられます。
山形の風土が育んだ酒米は、どんな味わいを引き出すのか。日本酒を酒米から選ぶという、新たな楽しみ方をお試しください。
山形の日本酒を支える酒米は、その一粒一粒に作り手の情熱と誇りが詰まっています。
生産者の手から酒蔵の手へと進み、山形ならではの日本酒へと変わっていきます。
地域ごとに生産者が集まる「酒米研究会」を組織し、県全体で経験や技術を共有することで生産者同士が切磋琢磨していることも酒米作りの質をさらに高めています。
育てた一粒が最高の日本酒になることを信じて、生産者は今日も田んぼに立ち続けます。多くの思いが込められた酒米は、山形の日本酒造りを支える力強い土台なのです。
山形県は、鮮やかな四季の移り変わりと肥沃な大地、そして日本百名山六座を有する深い山々がもたらす清冽な名水に恵まれた、全国有数の米どころ、地酒どころです。
吟醸王国と呼ばれる山形県は、この自然の恵みと〝人〟の心によりすぐれた酒造好適米が育まれています。
山形県では独自に酒米開発に取り組み、「出羽燦々」、「出羽の里」、「雪女神」と異なる味わいとなる3品種をデビューさせ、世界でも高い評価を受けております。
米作りも酒造りも〝人〟の力。酒米生産者と酒蔵は手を取り合いながら、経験と技術を注ぎ込みます。長年の徹底した努力と研究は県内四十八蔵の垣根も越え、県全体の酒造りに還元されることで、深い香りと繊細な味わいの山形の日本酒の魅力をさらに引き立てあっています。
心白が鮮明に
中央にあること(※)
心白は成分としてでんぷんが多く含まれており、隙間が多いため柔らかく、光の乱反射により白く見える。
大粒で粒ぞろいが
よいこと
タンパク質や脂質が
少ないこと
外硬内軟で蒸米の
さばけがよいこと
吸水性がよく、
溶けやすいこと
割れにくい(高度精白に適している)こと
YUKIMEGAMI
2015年、山田錦を越える酒米を目指し、「出羽の里」と「蔵の華」をかけ合わせ誕生。山形県初の大吟醸向け品種として15年を費やし育成された。
大粒で心白の発現率が高く、中心部に小さく入るため、精米歩合を高めても崩れにくい。タンパク質の含有率が低く、雑味がなくすっきりと繊細でありながら芳醇な香りの豊かさと旨味が特徴。
商標名に「雪女神」を謳っている
酒の醸造条件
(1)原料表示は「雪女神」100%とすること
(2)酵母は山形酵母(ブレンドを含む)を使用すること
(3)純米大吟醸あるいは大吟醸であること
(4)精米歩合は50%以下とすること
(5)ラベルの作成・使用について山形県酒造組合の承認を受けること。
DEWASANSAN
1994年に山形県農業試験場で「美山錦」と「華吹雪」をかけ合わせて誕生。山形県の日本酒の評価を飛躍的に向上させた山形県初のオリジナル酒米。
県内で最も多く生産されており、主に吟醸酒向けの酒米。
心白の発現率はやや高く、その大きさは中程度。タンパク質含有量はやや低く、粒も大きい。比較的柔らかいので香りが濃く、やわらかく幅のある味わいが特徴。
DEWANOSATO
2005年、出羽燦々に続いて「出羽燦々」と「吟吹雪」をかけ合わせて誕生。主に純米酒向けの酒米。
大粒で、心白が中心に大きく発現しやすく、タンパク質は出羽燦々並みに低い良質な酒米。
しっかりした旨みと雑味のないクリアな味わいとなり、お手頃価格の純米酒でありながら高度精白した吟醸酒のようなクオリティの高さとなるのが特徴。
CM